ツボカビ症と我々カエル飼育者
■情報が少なかったカエルのツボカビ症
先週末の土曜日夜、某ニュース番組のトップ特集として扱われたのは、我々カエル飼育者と切り離すことのできないツボカビ症に関するニュースでした。
昨年12月に日本(アジア地域)で初めてツボカビの感染が確認されてから、その驚異的な危険性については広く知れ渡ることになりました。
しかし、今まで日本を含むアジア地域でのツボカビの感染例が無かったからでしょうか、日本で発刊されている愛好家向けのカエルの飼育書などにも、ツボカビによる衰弱死が存在する旨の記載はあるもの、具体的な症状やその驚異的な危険性などを言及しているものはなかったと思います。
某ニュース番組では、NUANCEの大津さんが取材を受けておられましたが、正に大津さんが番組の取材で言っていたように、ツボカビに関する情報が少ない、というのは正直なところだと思います。
■我々ツノガエル飼育者は当事者であるということ
かくいう私もインターネットで調べた範囲で分かる程度の知識しか無いというのが実情ではありますが、某ニュース番組でツボカビ症を発症していたカエルとして映っていたカエルがバジェットガエルやツノガエルであった事実を考えると、あらためて、我々、ツノガエル飼育者として認識しなければならないことを書かさせて頂きたいと思います。
まず、我々ツノガエル飼育者が一番最初に認識しなければならないことは、「我々ツノガエル飼育者はツボカビ症問題の当事者である。」ということです。
好むと好まざるとに関係なく、我々はツノガエルというツボカビ感染の危険性を持った外来種のカエルを飼育しており、我々はツボカビ症問題の当事者になっているという事実です。
勿論、感染して約2ヶ月でカエルが衰弱死をしてしまうと言われるツボカビ症ですから、半年や1年以上も前から飼育しているツノガエルがツボカビ症に感染しているとは考えられないのですが、何らかのルート(ツボカビに汚染された水や、その水に触った手など)で感染する恐れは否定できません。また、新しい個体を手に入れた際には、十分なチェックと経過観察期間が必要です。
また、感染源として有力視され、感染しても発症はしないというアフリカツメガエルをツノガエルの餌として用いられている方もおられるでしょうし、餌用として販売されているウキガエルもツボカビのキャリアではないかという話もあります。
いずれにしても、ツボカビ症問題の当事者である我々は、ツノガエルを飼育している以上、ツボカビ症の危険性と対処に関する一定の知識を得、実践していく義務があると考えます。
乱暴な言い方かもしれませんが、そんな面倒な勉強はしたくないし、実践するつもりもないという方は、引き取ってくれる他の飼育者の方や獣医さんなどに相談し、潔くツノガエルをペットとして飼うことを放棄すべきだと考えます。
■ツボカビ症の情報源と検査体制
ツボカビ症に関するインターネットの情報源は色々ありますが、WWF(世界最大の自然保護団体)の「カエルツボカビ症について」を一定のツボカビに関する知識を得る情報源としてお勧めします。
その中でも記載されていますが、我々愛好家のツボカビ症の検査は無料です。
そしてコア獣医師制度というものがあり、コア獣医師が近隣にいなくとも、近所の獣医師さんのところへ相談に行けば、コア獣医師を経由し検査機関にてキチンと検査をしていくという体制が整っています。
疑わしき個体が発見された際には、ためらうことなく近くの獣医師のところへ個体を持ち込むのが、我々、当事者としての義務だと思います。
あまり良い表現ではないのかもしれませんが、感染の発見から数ヶ月の期間において、損得抜きで、これだけの全国規模の体制が整備されたということは、それだけツボカビ問題が日本の両生類、しいては生態系に与えるインパクトの大きさを物語っています。
どうぞ、「うちのツノガエルは数年前から飼っている個体だから関係ない。」とは考えないで頂きたいと思います。
我々、飼育者がキチンと対応していかなければ、可愛いツノガエル達を飼えなくなる日が、そして日本のカエルやイモリ、サンショウウオなどが絶滅してしまう日が来るかもしれないのです。
ツボカビ問題の当事者として、知るべきこと知り、なすべきことをキチンとしていく意識と姿勢が、我々に求められているのは間違いないことだと思います。
■カエルのツボカビを学ぶ講習会
NUANCEさんやワイルドスカイさんのHPに掲載されていますが、2月25日(日)に東京都港区のプラザ246にて、講師にザ・カエルの著者でもある田向健一先生を講師とした講習会が開催されます。
一般の方も自由に参加できるとのことですので、お時間がとれる方は、是非、参加してみては如何でしょうか。私も時間が取れれば参加したいと思っております。
◇カエルのツボカビを学ぶ講習会
日時:平成19年2月25日(日)14時~16時(開場:13時30分)
場所:東京都港区南青山3-1-1 PLAZA246(プラザ246) ホールP3-1
講師:田園調布動物病院 院長 田向 健一
内容
・カエルツボカビについて
・症状
・検査法
・検疫と消毒方法
・治療方法など
・質疑応答
・時間が余れば野生のヤドクガエルのスライド上映
詳細については、ワイルドスカイさんのページにてご確認下さい。
<<追記>>
「カエルのツボカビを学ぶ講習会」への参加については、私事のため、受講をすることが出来ませんでしたが、講習会に参加された、あいざわ様のサイト「live together」にて講習会参加レポート記事が掲載されております。
また、講習会にて配布された資料についても掲載されています。
著作権等の問題があるようですが、「営利目的でなければ配布OK」との連絡が関係者の方からあったようなので、「live together」の原文をそのまま引用させて頂き、以下に掲載させて頂きます。
ツボカビ症に関して、今現在で、一番正確な情報と思われるPDFファイルです。
以下のリンク先の情報に関しては、広めていただく事には問題ないそうですが、
営利目的利用は禁止されています。
また、文章改変等の行為は誤情報伝達の可能性が高くなる為、絶対に控えてください。
ツボカビ症に関する解説書
カエルのツボカビ検査の受け方
講習会に参加されたレポート記事を拝見すると、やはり我々カエル飼育者はツボカビ症問題の当事者である、という認識を持つべきという感は強まるばかりですし、淡水エビもツボカビ症に感染するという事も、重大な事実だと感じる次第です。
「05.カエル【病気の蔵】」カテゴリの記事
- ツボカビ症と我々カエル飼育者(2007.02.20)
- ツノガエル【病気の蔵】(2005.08.01)
- ツノガエルの健康な肌の色(2006.07.21)
- 復帰(2005.09.02)
- 皮膚病発生の反省点(2005.08.31)
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コメント
ハバネロさんのおっしゃる通り、飼育者は当事者なんですよね。
私もTVを見ましたが、発症していたカエルとして映ったツノガエルに
改めてショックを受けました。
ツボカビ症が日本で発見され、検査が受けられる事を知り「大丈夫だろう」ではいけないと思い、近隣の動物病院数件に問い合わせたところ、「ツボカビ?」という反応で驚きました。逆に、私が状況を説明しました。また、「保健所へ問い合わせて下さい」との事で、電話で問い合わせたのですが、「獣医師へ」との曖昧な回答でさらに驚きました。
世間で言えば地方の田舎です。ですが、だからこそ野生のカエルもイモリも多く生息しています。なんだか、憤りを感じました。
投稿 とめこ | 2007年2月21日 (水) 22時19分
>とめこさん
やはり、あのTVの映像はショックでしたよね。
自分でもそれなりにネットで勉強したつもりでしたが、あらためて感じるものがありました。
全国レベルの体制が整ったとはいえ、まだまだ、実運用上ではあらゆる動物病院に浸透しきれていないというのが実情なのでしょうね。
記事内にリンクしてあるWWFのページにある愛好家向けのPDFファイルを印刷、持参した上で獣医さんに相談するといった対処が必要な段階なのかもしれませんね。
投稿 ハバネロ | 2007年2月22日 (木) 07時46分
ハバネロさま
はじめまして。
1月からクランウェルツノガエルの飼育をはじめたふぐ太郎と申します。
恐ろしい病気が、ついに日本にも上陸したと聞いてかなりショックでした。
飼育をはじめたばかりなので、正直何もよく分からないというのが現在の状況ですが、とにかく自分自身が少しでも勉強、情報収集をして正しい知識を身につけることにしました。
飼育者としての自覚をしっかり持って、これから氾濫するであろう情報の中から真に重要なものを見極められるようになりたいと思います。
最後になりましたが、今回のクランウェル飼育にあたっては飼育用品、底材等について大変参考となりました。
今後とも情報を色々活用させていただきたいと思います。
また、まだ情報量少ないですがブログもはじめましたので、今後ともよろしくお願いいたします。
投稿 ふぐ太郎 | 2007年2月22日 (木) 21時54分
お久しぶりです(*゚▽゚)ノ
私も今日、ワイルドモンスターに行って、ツボカビ症について聞いてきました。
詳しくはうちのブログで記事にしましたが、ワイルドモンスターも2月25日のツボカビ症講習会に参加するそうです。
投稿 hauler | 2007年2月23日 (金) 00時23分
>ふぐ太郎さん
はじめまして、ハバネロです。
コメントありがとうございます。
1月からクランウェルツノガエルの飼育を始められたということは、2007年はふぐ太郎さんのツノガエル元年ですね。
本当に恐ろしい病気が日本に上陸してしまったわけですが、「多くのカエルを飼っている飼育者が短期間で一気に飼育しているカエルが死んでしまったので、不審に思い検査を依頼したらツボカビだった。」という、日本上陸の発覚のケースを考えると、偶発的に早期に発見することができたと言ってもいいと思います。
「田んぼのカエルが農薬の散布もしていないのにバタバタと死んでいき、調べてみたらツボカビだった。」というような洒落にならない事態での発見でなかったことは、ある意味、日本の場合は幸運だったのかもしれません。
いずれにしても、昨年のツボカビ発見時期より早い時期からツボカビが日本に上陸していたことは容易に想像できます。
はじめて購入したツノガエルが2~3ヶ月程度で死んでしまい、その後、何度ツノガエルを購入しても同じような感じで死んでしまい、「なんかツノガエルって結構弱いカエルなんだな・・・」なんて、最初のツボカビで汚染された飼育ケージなど使っていたという方も居たのかもしれません。
すべての情報が正確なものだとは思いませんが、今はインターネットで色んな情報を得ることが出来る環境になっていますので、まずは自分で調べてみるということが大事なんだと思います。
今の時代は、氾濫する情報の中から、正確かつ自分が求めているものを如何に選別していくか、が重要になるんでしょうね。
とはいえ、手軽に色々な情報を得ることが出来る時代というのは、情報が手に入らない時代よりも良い時代であることは間違いないことなんだと思います。
お互い、情報を抽出・選別する力量をつけていかなければならないですよね。
クランウェルツノガエルの飼育にあたって、ハバネロの蔵をご参考にして頂き、ありがとうございます。
自分がツノガエルを飼い始める際、「ツノガエル飼育の詳細な情報が少ない。」と感じていたことが、「ハバネロの蔵」を運営する動機でしたので、ふぐ太郎さんに頂いたコメントのように、「参考になった」とおっしゃって頂けると本当に嬉しい限りです。
これからも「ハバネロの蔵」をよろしくお願い致します。
また、ふぐ太郎さんのブログへのリンクもさせて頂きたいと思いますので、是非、URLなどもお教え下さい。
今後ともよろしくお願いします。
投稿 ハバネロ | 2007年2月24日 (土) 08時27分
>haulerさん
お久しぶりです(^^)
ワイルドモンスターさんも25日の講習会に参加するんですね。
haulerさんも参加されるんでしょうか?
私も行こうと思っているのですが、税務署が今の時期に実施している休日の確定申告書類作成支援が、今度の25日で最後なんですよね。
昨年、家の増築をするため資金の借り入れをしたものですから、平日に休めそうにない私にとって、講習会に行けるかどうか微妙なところです。
どちらにしても、講習会が開催された後には、様々なサイトで情報が追加されていくでしょうから、キッチリとそうした情報をキャッチしていきたいですね。
投稿 ハバネロ | 2007年2月24日 (土) 08時37分
連投失礼します。
上記にURL貼り付けておきましたのでよろしくお願いいたします。
こちらからもリンクさせていただいてよろしいでしょうか?
最近また拒食になり少し不安になっています。
ゲージもプラケースに変えてこまめに水を交換しています。
回復してくれると良いのですが・・・
投稿 ふぐ太郎 | 2007年2月25日 (日) 21時05分
こんにちは。
先日レッドレッグが治ったと書き込みをしたものです。
実は1週間前位から6年飼育している子の具合が悪くなり、レッドレッグだった子もまた拒食するようになり、病院に行ってツボカビ検査をしました。
結果待ちですが、6才子の方が状態が急激に悪くなったのでツボカビを視野に入れて投薬を開始しました。
なんかいつもとカンジが違うな?から始まって、拒食、水が濁る、目を閉じる、沈鬱・・・と来ていきなり皮膚の脱落。かなり深い潰瘍を起こしています。傷が深いので敗血症の心配も出てきました。
11月にニュアンスさんから入れてすぐレッドレッグになった子がキャリアだったのかもと獣医さんが言われますが・・・
6歳の子はとにかく大きいので力も強くカードで口をこじ開けての投薬、消毒がものすごく大変ですが、3匹(1匹は元気でまだ無症状です)ともツボカビという最悪のシナリオを想定して3匹の世話をしています。
鳥インフルエンザのように消毒大変ですね。
手袋もイチイチ取り替えますし、水槽を満水にすると結構な水量なので消毒薬も結構な量を消費します。オスバン、ハイター、ヒビテン、ビルコン、熱湯等々・・・
消毒はビルコンが一番楽です。吹きかけて使えるので。
正直全滅覚悟もしていますが頑張ります。
投稿 PAW | 2007年2月26日 (月) 00時24分
>ふぐ太郎さん
ご連絡ありがとうございます。
早速、リンクさせて頂きます。また、こちらへのリンクの件も喜んでお願いさせて頂きたいと思います。
また拒食気味ということですと、ちょっと心配ですね。
ただ、やはり冬の時期は保温が問題なくとも、乾燥気味になるためか、どうしても季節変動的な部分もあると思いますので、それほど心配することはないのかもしれません。
どちらにしても毎日1分でも2分でも様子を見てあげることが大事なような気がします。
早く元気いっぱいになってくれるといいですね。
投稿 ハバネロ | 2007年2月27日 (火) 07時29分
>PAWさん
検査の結果も心配ですが、何より6才のしっかりしたツノガエルが状態を崩してしまったということが心配ですね。
6年間もしっかり育てられたということは、PAWさんの普段の管理に問題は無いはずですので・・・
ただ、11月にニュアンスさんから入れて、レッドレッグになってしまった子がキャリアだったのではという獣医さんのお言葉ですが、私がNUANCEさんのツノガエル研究会に参加したのが12月10日、当日、譲っていただいたオタマジャクシとその飼育水を持ち帰って来てから約3ヶ月近くが経過しますが、我が家では特に異常は見られませんので、NUANCEさんのところでツボカビのキャリアの子がいるとはちょっと考えられないのではないかと思います。
ケージや飼育水の消毒や手袋の交換・・・やはりかなり大変なんですね。でも、それをしっかりと実施されているPAWさんはカエル飼育者の鏡だと思います。
まずはツボカビ検査の結果が陰性(ツボカビの心配なし)であることを願っています。
大変だと思いますが、頑張って下さい。
応援しております。
投稿 ハバネロ | 2007年2月27日 (火) 07時46分
こんにちは、ツボカビ講習会・・先週私も行って来ました。
ツボカビについては、日本ではまだまだわからない事もいろいろ
あるようですが、まずは飼育者としての自己責任。
(ツボカビの知識、むやみに怖がらない、飼育の時の消毒等の徹底)
を徹底していかなければいけない事を改めて再確認してきました。
これからも同じカエル飼育者として、頑張っていきましょうね。
きっとハバネロさんのブログを見て、カエル飼育を始められた方もたくさんいると思うので、
問題提起やいろいろな情報を得られるブログとしてこれからもよろしくおねがいします。
投稿 kazup88 | 2007年3月 4日 (日) 17時50分
>kazup88さん
ツボカビの講習会には、私も是非とも参加したかったのですが、他に用事があり参加できなかったので、翌日には参加された方の記事を検索したところ、あいざわさんのブログ「live together」を見つけ、当日の資料のPDFファイルなどのリンクもさせて頂いた次第です。
ネット上では、いま騒がれているツボカビは、以前よりアフリカに居たと思われるツボカビよりも進化し、耐性などか強くなっているのでは?といった情報もあるようですが、まずは麻布大学やWWF、講習会で配布された資料等を熟読・実践することが大事だと思っています。
「ツボカビの知識、むやみに怖がらない、飼育の時の消毒等の徹底」まさにその通りだと思います。
カエルを飼っている以上、お互い、頑張っていきましょうね。
投稿 ハバネロ | 2007年3月 6日 (火) 07時38分